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MORNING TALK

朝の心

人褒めたうわさなかなかひろまらず

2006.05.31
朝の心

 先日おもしろい川柳を見つけました。「人褒めたうわさなかなかひろまらず」というものです。悪いうわさは、信じられない早さで広まるのに、なぜ、人を褒めたことはなかなか広まらないのか。そこには私たちの心の狭さが顕著に表れているような気がします。私たちが人の失敗や汚点を広めたがるのは、自分がその人に対して優位に立ちたいからです。また、もともと私たちは人の失敗を期待しているようなところがあるのかもしれません。
 それに対して、人を褒めたうわさを広めることは、自分をその人よりも劣った人間だと見なすことになるのかもしれません。そこには相手に対する嫉妬があります。
 自分がどんな人間であるのか、しっかりと見つめることができる人、自分のいいところも悪いところもよく知っている人は、人の悪いうわさを聞いても積極的に広めることはしないでしょう。自分も大して変わらない人間だと知っているからです。そして人のよいうわさを耳にすれば広めたくなるでしょう。自分もそんなところを見習いたいと思うからです。
 「人褒めたうわさなかなかひろまらず」うがった川柳ですが、少し寂しい気もしました。

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