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MORNING TALK

朝の心

高橋尚子選手

2006.09.28
朝の心

 昨年11月,東京国際女子マラソンで高橋尚子選手が優勝しました。中継やニュースを見た人も多いのではないでしょうか。わたしはこの中継を見て2つのことに感動しました。1つは,東京国際といえば2年前に高橋選手がアテネ・オリンピック出場をかけて参加したのですが,後半にまさかのスタミナ切れをおこし,優勝もオリンピックも逃してしまった大会です。しかし,高橋選手は2年ぶりの復帰レースとして,以前に優勝した縁起のいいコースではなく,あえてこの東京の舞台を選んだのでした。「私の陸上に関する時間は,その時で止まった気がしていました。どん底からもう一度夢を見て,暗闇から抜け出すために,止まった時間をもう一度動き出させるためにも,東京に出場することが最良の選択なのです」。そう語り,過去の苦い思い出にあえて立ち向かった精神力の強さにとても感銘を受けました。
 もう1つの感動はレース後の優勝インタビューでした。高橋選手はこんなコメントをしました。
「陸上にかぎらず,今暗闇にいる人や悩んでいる人,一日だけの目標でも3年後の目標でも,何でも目標を持つことで,すごく一歩一歩一日一日が充実すると思います。どうか夢を持って,一日一日を過ごして欲しいと思います。そして,小学校・中学校の子ももちろんなんですけど,私と同じ30代そして中高年の皆さん方も,24時間という時間は皆さんに平等に与えられたチャンスの時間です。もう二度と来ないこの一日の時間を精一杯,そして充実した楽しい日にして下さい。」
さて,本当に小さな目標でもかまいません。わたし達もいつも目標をもち,その実現に向かって,24時間という平等に与えられた大切な時間を有効に使っていきましょう。

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