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MORNING TALK

朝の心

一粒の種

2006.10.24
朝の心

「大賀ハス」という名前のハスの花があります。
昭和26年、今から55年前、大賀一郎東京大学農学部教授が、2千年前の縄文時代に咲いていた古代のハスの種3粒を発見し、そのうちの一粒の開花に成功したものです。2千年前の種子から現在に蘇ったハスの花です。一粒の種の中にひそむ生命力には驚くべきものがあります。
 2千年の間、この種は地中深く眠っていました。いよいよ芽を出し花を咲かせようとするとき、種自身はその役目を終えるのです。
ヨハネによる福音書12章24節に次のような言葉があります。

「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」

たくさんの実をもたらすためには、種が死ぬ必要があります。私たちは多くの人々の犠牲や労苦によって生活し、生きています。その意味で私たちは実であると言えます。しかし私たち自身も、他の人のために犠牲を惜しまず、尽くすことができれば、そこに蒔かれた私という名の種は、いつかどこかで豊かな実りをもたらすはずです。
最後にもう一つ聖書からの言葉です。
「友のために自分の命を捨てること。これ以上に大きな愛はない。」

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