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MORNING TALK

朝の心

プロセスを大切に

2013.09.25
朝の心

突然ですが、皆さんは山登りをしたことがありますか?私も若かった時は、時々友人たちと一緒に登ったものです。
ただ、この山登りですが、山登りそのものを目的とすると意外に疲れるものです。
昆虫採集を趣味にしていた人が、山岳部の学生たちと一緒に山に登ったそうです。彼は山に登りながら昆虫採集に動き回っている。運動量では彼の方が山岳部の学生よりはるかに多いはずなのに、面白いことに、山岳部の学生の方が早くバテてしまったそうです。
山登りだけでなく、旅なども目的地に着くことだけにこだわると、旅そのものは楽しくなくなります。私も一人旅をしたことがありますが、目的地で過ごした時間よりも、電車の車内で会った様々な人たちと交わした会話や、途中下車して眺めた風景、市場のおじさんと喧嘩したことなどのほうが、それ以上に印象に残っています。旅の面白さは、本当は目的地に到達するまでの過程にあると言えます。
現代は、新幹線や飛行機など移動手段がスピードアップされ、長旅が敬遠される傾向にあります。できるだけ早く最短で目的地に着くことばかりにこだわるあまり、旅の道中は一種の「苦痛」としかとらえられなくなっています。
仏教の言葉に「方便」というものがあります。これはもともと、一歩一歩目的地に近づいていく歩みという意味があって、仏教ではこの「方便」を大切にしろと教えているそうです。キリスト教では、救い主イエスの十字架での死と復活が最も重要ですが、聖書ではそこに至るまでの2000年に及ぶ長い神と人間の歴史の歩みを語っています。プロセスを大切にしないと目的地に着く意味が半減してしまうと言えます。
わたしたち一人一人の歩みも同じようなことが言えないでしょうか。目的地に着くことだけにこだわるのではなく、毎日毎日の生活を、時には辛いことがあったり、多少遠回りしたとしても、きれいな花に心を躍らせたり、気持ち良い汗に爽快感を感じながら、楽しく充実した目的地への大切なプロセスにしていきたいものです。

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