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MORNING TALK

朝の心

スター

2013.10.04
朝の心

二年前に公開された映画「八日目の蝉」を、最近見ました。赤ん坊のころ誘拐され、実の母親を知らないまま四歳までを過ごすヒロイン恵理菜が、大人になって自分探しを始めるというストーリーです。その映画の中に、蝉の話が出てきます。蝉は何年間も地中にいて、やっと地上に出てきても七日間くらいしか生きられない。もし一匹だけ生き残って八日目も生きることになったら、一人ぼっちで寂しいだろうな、という会話です。しかし彼女は、複雑な自分の人生を振り返っていくうちに、「いや、一日余分に長く生きた蝉は、他の蝉が見られなかった何かが見られるのではないか。それはすごくきれいなものかもしれない」と考えるようになります。そして、自分の体に宿った子どもに、少しでもこの世界のきれいなものを見せ、おいしものを食べさせ、生きていることの幸せをいっぱい味わわせたいと思うようになっていくのです。

 さて、先日引退を表明した宮崎駿監督は、記者会見で「子どもたちに伝えたかったのは何ですか?」という質問に対し、「この世は生きるに値するという思いです。それは今も変わりません」と答えました。
 宮崎映画のキャラクターは皆、全力で前のめりに走り、気持ちよさそうに大空を駆けています。また一途に相手を想ったり、とてもおいしそうに食べたりしているシーンが印象的です。それは、生きることの喜びを表していると言われます(朝日新聞の解説より)。

「星という漢字は『日を生きる』と書きます。つまり、一生懸命に生きている人は、星なのです」と、ある本に書いてありました(水口貴弘『Happy life style』参考〉。私たちも、与えられた一日一日を一生懸命に生きたいものですね。与えられた日を価値あるものとして精一杯生きることによって、その日が終わる夜、かけがえのない一日としてしっかり輝かせたいものです。星のことを英語ではスターと言います。毎日を一生懸命に生きる人こそが、本物のスター、言い換えれば本当の大物なのではないでしょうか。

写真
写真は華道同好会:古川亜里朱さん(2−C)、中崎由唯さん(2−C)、岡田美沙希さん(2−D)の作品

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