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MORNING TALK

朝の心

笑うから幸せなんだ

2013.12.02
朝の心

 高校校舎の南側に4本の銀杏の木があります。秋が深まるにつれて葉は黄色く色づき、今まさに散っている最中です。散り終えた頃、いよいよ本格的な冬が来るんだなぁ、と感じます。
銀杏などの葉が散る時は、表に裏にヒラヒラと回転しながら舞い、地面に落ちます。落ちた葉は土にかえり、土の養分となっていきます。つまり葉っぱは、葉としての役目を終えた後も落ち葉となって次の世代へと生命をバトンタッチし、生かされていくのです。

 私たちの日常生活には、楽しいことや嬉しいことがあれば、苦しいことも悲しいこともあります。自分のことを好きになったり、嫌いになって落ち込んだりすることもあるでしょう。ちょうど落ち葉が表へ裏へ、ヒラヒラ回転しながら散っていくように。しかし、日々の体験がどんなものであれ、いずれ自分の命が生かされていくプロセスとして考えると、どんな出来事も体験も、その時どきの感情さえもそれぞれに意味があり、自分を幸せへと導く大切な要素の一つとして捉えていけるのではないでしょうか。

「幸(しあわせ)」という漢字は、さかさまにしても「幸(しあわせ)」と読めます。そう考えると幸せとは、楽しいことや嬉しいことばかりを指すのではないのかもしれません。苦しい時や悲しい時、悩んでいる時には特に、幸せを感じにくいものですが、長い人生というスタンスで捉えた時、これも幸せの一部なんだ、あるいは幸せになるために必要な時なんだ、と信じられる生き方をしていきたいと私は思います。

最後にフランスの哲学者アランの言葉を紹介します。
「幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せなんだ」。

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