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MORNING TALK

朝の心

食べることは生きること

2015.11.04
朝の心

 先日,(中学校の)遠足で法華嶽公園に行き,生徒たちと協力して飯盒でご飯を炊き,カレーを作り,自然のなかでカレーライスを食べるという貴重な体験をすることができました。自分たちで作ったからか,空腹だったからか,自然の中で食べたからか,いろいろな要因があると思いますが,普段食べているカレーよりも何倍もおいしく感じました。
 この体験で感じたのは,自分で作ることの大切さ,そして空腹の大切さです。みなさんはたとえば,自分で味噌汁をつくることができますか?大学生になり自炊を始めると,忙しかったり一人分にちょうどいい量をつくることが難しかったりするので,コンビニ弁当やスーパーのお惣菜,チェーン店の牛丼やインスタント食品などで済ませてしまう人が多くなるそうです。そんな学生がやがて親になったとき,果たして急に料理ができるようになるでしょうか。とても難しいと思います。しかし,ある調査によると,思春期に心の病気を抱えてしまう子どもの多くが,実は親からの愛情や愛情のこもったご飯に飢えて育ってきたという報告もあるのです。
 また,皆さんは日頃,家で空腹感にじっと耐えることがありますか?おなかがすいては,すぐにお菓子を食べたりジュースを飲んだりしていないでしょうか。そういう生活をしていると忍耐力や自制心が弱くなったり,肝心の食事のときに空腹感がないため,ちゃんとした栄養が摂れなかったり,おいしさも半減するため感謝の心も薄れ,「いただきます」や「ごちそうさま」をいい加減にしか言えなくなったりするのだそうです。空腹感は,食事をさらにおいしくしてくれるだけでなく,体や心の健康,さらには家族のコミュニケーションとも密接につながっているのです。
 今はテスト前なので忙しいと思いますが,機会を見つけてぜひ自分でお弁当を作ったり,家族のためにお弁当や食事を作ったりすることに挑戦してみてください。また,普段の生活の中で,空腹感を大事にしてみてください。きっと,みなさんの心と体が,今以上に元気になっていくことでしょう。

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