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MORNING TALK

朝の心

クリスマス献金

2015.12.12
朝の心

紛争や迫害により,故郷を,国を追われた人々が急激に増え続けています。2014年に世界中で国内外に移動を強いられた人々は約6000万人,そのうち1400万人が難民となるなど戦後最悪の状況が起きています。シリアの内紛では400万人以上が難民となり,多くの人々が愛する人,大切な家族を守るため,ヨーロッパをめざす危険で過酷な長い旅を続けています。
 そんな中,今年9月,一枚の写真が世界中に衝撃を与えました。皆さんも見たでしょうか。3歳のシリア難民の男の子アイラン君が海辺に静かに横たわっている写真です。新しい人生を開くために,お父さん,お母さん,お兄さんとともにシリアから脱出し,夜中にゴムボートに乗って地中海を渡りギリシャの島に行こうとしました。その小さな体でたくさん,たくさんつらい思いをして。でも,10人乗りのボートに17人も押し込められ,トルコからさほど離れる事もできずにボートは転覆して夜の海に投げ出されました。片方の腕に奥さん,片方の腕に2人の子ども達を抱えていたお父さん。でも,家族は一人ずつ彼の目の前で暗い海に飲み込まれて行ったのだそうです。
さて,わたしたちは,1400万人という数字を聞いてもあまりピンと来ません。しかし,その人たち一人ひとりにわたしたちと同じ尊い命があり,家族があり,できることなら故郷で幸せに暮らしたいという思いがあることを忘れてはいけません。アイラン君の死はヨーロッパの人々の心を動かしました。たまたま平和な日本に生まれ,幸せに生きているわたしたちが,生まれた場所や時代のために苦しい運命を背負わされている人たちのことを思いやるのは当然だと考え,行動できる人でありたいと思います。今年のクリスマス献金は,ヨーロッパ難民の支援のために送ることになりました。このクリスマス献金に,一人ひとりが思いをこめて協力してくれることを願っています。

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