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MORNING TALK

朝の心

馬小屋

2015.12.17
朝の心

 正門の横に馬小屋ができました。高校1年生の有志と二人の先生が一生懸命作ってくれたもので、イエスの誕生を表現しています。この馬小屋が最初に作られたのは今から800年ほど前、アシジの聖フランシスコが、イエスの誕生を当時の人々にわかりやすく説明するためだったと言われています。
では、イエスはなぜ馬小屋で生まれたのでしょうか。イエスの父ヨセフと母マリアがナザレからベツレヘムに来ると間もなく、身ごもっていたマリアに出産の時が訪れました。ところが彼らには泊まる場所がなく、馬小屋でイエスが誕生したと記されています(ルカ1〜7参照)。やがて救い主の誕生を知って恐れたヘロデ王は、2歳以下の幼子をすべて殺害するよう指示します。そのため、ヨセフは生まれたばかりの乳飲み子イエスと産後間もないマリアを連れてエジプトに逃れるのです。このように、イエスは生まれる場所さえままならず、また生まれてすぐに命の危険がせまり、逃げざるをえませんでした。まさにイエスたち自身が難民生活を余儀なくされたのです。
さて今年のクリスマス献金は、ヨーロッパ難民・移民を支援することを目的としています。ヨーロッパに渡る難民の多くは、シリアやアフリカ諸国からです。私たちには遠い国の出来事のように思えますが、実は日本にやってくる難民の数は年々増えています。昨年度だけでも五千人に達しました。しかし日本政府から難民であると認定され保護されたのは11人だけでした。また、最近の4年間でシリアから63人の方々が難民申請を出していますが、たった3人しか認定されていません(「カトリック新聞」11月22日参照)。
では認定されない場合どうなるのでしょうか。彼らは日本語や日本の法律がわかりません。家も仕事もなければ、友人、親類など頼りになる存在もありません。孤独で先の見えない状況で暮らし、中には路上で生活している人たちもいます。食べる、寝る、働く、そんな人間として当たり前の生活ができないのです。
 イエスの馬小屋を見つめる時、遠い外国だけではなく、この日本にも、そして私たちの身近にもそういった方々がいることを思い出してほしいと思います。イエスの馬小屋にはそんなメッセージが込められています。

写真
写真は華道同好会
金丸侑樹さん(1−B)の作品

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