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MORNING TALK

朝の心

シャンパンの法則

2016.09.09
朝の心

 今年の夏、みやざきアートセンターで「チームラボ★アイランド踊る!美術館と学ぶ!未来の遊園地」という展覧会がありました。私も興味があったので何人かで見に行きましたが、今まで体験したことのないおもしろいイベントでした。
 美術作品の展示会では、たいていの場合、誰がどのように鑑賞しても鑑賞者からの影響で作品が変わることはありません。作品は鑑賞者から独立しています。ところがチームラボが展示する作品は高度なデジタル機能を駆使し、鑑賞する者たちによって作品が鮮やかに変化します。例えば、花が描かれた壁に近づいたり触れたりすると、花が咲いたり散ったりします。あるいは自分が描いた魚が、壁にしつらえた水族館の中で生き生きと泳ぎだす展示もあります。そこでは作品と鑑賞者に隔たりがなく、互いに影響し合うことで、その時、その時の作品が展開されるのです。

 ところで 日々の生活で他人との人間関係を考える時、自分と他人のどちらを優先したらよいのか悩むことがあります。他人のことを優先して自分をつい犠牲にしがちな人は、もっと自分を一番に考えられたらと思いながら、なかなかそうできずに悩んでしまうものです。
そんな時、「シャンパンの法則」を思い浮かべてみましょう。結婚披露宴などでグラスをピラミッド状に積み上げて、新郎新婦が上からシャンパンを注いでいくシーンがあります。てっぺんにあるグラスにシャンパンを注ぐと、2段目、3段目のグラスへとシャンパンが流れ落ち、すべてのグラスが見事にシャンパンで満たされていきます。最初に注ぐ一番上のグラスを自分自身だと考えてみてください。最初のグラスが満たされることによって2段目、3段目が満たされていくように、自分が満たされれば、家族や友人、知人、身近な人々も満たされていくわけです(『心に元気があふれる50の物語』参照)。

 聖書には「他人を愛しなさい」という教えがいくつも書かれています。そして、イエスは他人を愛するときに「自分と同じように愛しなさい」と言っていることを、合わせて考えてみたいと思います。つまり愛することの基本は、自分と他人には境界線や隔たりがないということではないでしょうか。
 他人を大切に思う気持ちはとても気高く尊いものです。それと同じように一番肝心な自分への気遣いも、忘れないようにしたいものです。

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