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MORNING TALK

朝の心

沖へ漕ぎ出しなさい

2017.05.20
朝の心

 1880年,晩年のドン・ボスコは,当時最も力になってくれていた6人の弟子たちを呼び,会議を開きました。議題は,教皇レオ13世から依頼された大聖堂の建築を引き受けるかどうかでした。無記名投票の結果,反対6票。賛成に入れたのはドン・ボスコただ一人でした。そのころのドン・ボスコは,ストレスと疲労とですっかり衰弱し,さらに多額の借金も抱えていましたので,少しでも彼に長生きしてほしいと望む弟子たちが,そんな大事業を引き受けるのは現実的ではないと反対したのも当然と言えば当然だったのです。

 しかしドン・ボスコは,神様への信頼を忘れ,人間的な思いだけで決断した弟子たちに激怒します。そして,全員を説得して大聖堂の建築を引き受けるのですが,すると不思議なことにお金に困るたびに,その都度奇跡としか思えないような方法で寄付が集まり,4年間で見事な大聖堂を完成させることができたのです。

 昨日まで,東京で「サレジアニ・コオペラトーリ」というドン・ボスコのつくったもう一つの修道会がアジア・オセアニア大会を行い,世界十数カ国から300人を超える人たちが集まりました。実はここでも,全く同じ話を聞きました。3年前,物価の高い東京でこんな大規模な大会を少ない資金で実施するのは不可能だと思われましたが,日本の会員たちが勇気を出して挑戦した結果,神様の助けとしか思えない奇跡的なことが次々と起こり,立派な大会が実現できたのです。

 さて,今年の教育目標「沖へ漕ぎ出しなさい」は,岸にいるイエスからの派遣の言葉ではありません。共に舟にいるイエスからの愛と希望に満ちた誘いの言葉なのです。つまり,私たちが自分に与えられた才能を大切にして,いま自分にできることを精一杯果たそうと努力するとき,いつも共にいてくださるイエスが必ず見守り,時には必要な力を与えてくれるという温かいメッセージです。私たちもそのことを忘れないようにしながら,いろいろなことにチャレンジしていく一年にしていきましょう。

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