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MORNING TALK

朝の心

祈り

2022.11.16
朝の心

 試験、試合、コンクールなど、私たちの生活には、立ち向かわなければならない大小さまざまな壁が次々とやってきます。もし皆さんがとても大きな壁にぶつかったとき、たった一人で孤独のうちに立ち向かうのと、たくさんの人が「応援してるよ」「お祈りしてるよ」と声をかけ、自分のために神社にお参りしたり教会で祈ったりしてくれるのとでは、どちらがより力が出るでしょうか。当然、たくさんの人に祈ってもらった時の方が力が出ますし、そのような時、わたしたちは祈りの持つ大きな力を実感することができます。

 しかし、いざ逆の立場になるとどうでしょう。「自分には祈ることしかできない」という言葉は、「祈っても何も変わらない」「自分には何もできない」という無力感を表す表現として使われることがほとんどです。そのように考えると、自分のために祈ってくれた人たちは、「どうせ祈ったって何も変わらない」というあきらめに打ち克ち、貴重な時間を割き、自分のことを思い出して、祈ってくれたことになります。それは、大きな愛と勇気がこめられた行いだったのです。

 先日行われた慰霊祭で、私たちは古木シスターからたくさんのメッセージをいただきましたが、私が一番勇気づけられたのは「私たちには何もできないけれど、祈ることはできる」「愛である神様が、苦しんでいる人たちをきっと救ってくださると信じて祈るしかないし、祈りが一番力をもっている」そんな言葉でした。誰かのために自分の時間を1分でも、10秒でも割いて、その人たちのことを思い、祈りをささげることができれば、それはきっと大きな力を持つのだと思います。そして、ウクライナの人たちのような遠くの人たちだけでなく、私たちの身の回りにも、今も病と闘って学校に出てくることができない友達など、祈りを必要としている人はたくさんいます。そのことをいつも思い出し、祈れる人でありたいと思います。

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