MENU

閉じる

閉じる

MORNING TALK

朝の心

“拾い物”

2005.04.26
朝の心

 先日、自転車で買物に行く途中、ある路上で拾い物をしました。それは、あるお店の名刺の入ったケースでした。携帯電話番号まで記してありますので、大事なものだと思い、住所を見て届けようと思いました。ところが、近くまでは分かるのですが、当のお店がみつからなかったので、交番に届けることにしました。交番に入ってみると、誰もいなく、一旦外に出て、路上警備中の警察官に問い合せると、連絡をするからしばらく待ってくださいとのことでした。10分くらい待ったのち、私は「拾得物預り書」に記入するための住所、氏名、電話番号などを尋ねられました。沢山記入する項目があり、そのうちに、「はいと渡して帰りたいな。なんでこんなに時間をとらされるのだろうか」と思い、少しいらいらしました。そして、「相手の方が分かってもこちらに連絡しなくて結構ですから」と、つっけんどんに言ってしまいました。そうして、買物を済ませ、戻りました。交番に拾い物を届けたことも忘れかけていた夕方、知らない人から電話がありました。「戸高さんですか、◯◯です。今日は、名刺を拾ってくださり、ありがとうございました」と丁寧に感謝されました。受話器を置きながら、ああ、あのとき、落とし物を見ながら素通りしなくてよかったな、相手の方はほっとしただろうなと思い、また、時間ばかり気にして心が狭くなった自分が恥ずかしくなりました。皆さん、校内でも年間、沢山の落とし物がありますね。私たちは、それを見かけたときどうしますか。反対に、自分が落とし物をしたとき、どんな気持ちになりますか。それが自分の手元にかえってくるときは、ある人々の手間や時間がかかっているのです。そんなことにも気付きましょう。煩わしいからと、見て見ぬふりをせず、次の行動に移りましょう。

閉じる