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MORNING TALK

朝の心

“水先案内人「タッパ−」”

2005.04.26
朝の心

 シドニーでオリンピックが行なわれた後、引き続きパラリンピックが行なわれ、12日間の競技にて、連日、日本選手の活躍が報道されました。水泳すなわち競泳では、6冠に輝いた成田真由美選手や50m自由形で金メダルを獲得した河合純一選手の活躍がありました。競泳の様子をテレビで見ていて、ふと気付いたことがありました。それは、係の人が白いものがついている棒を使って、選手がターンやゴールタッチをする際に教えてあげることでした。そのレースは、視覚障害の選手のレースだったのです。ゴールの位置も隣の選手の姿も分からない情況の中で、この係の役割は大きく、また、選手のパートナーともいえるのです。次の日のある新聞のスポーツ欄で、この係のことが紹介されていました。この仕事を「タッパー」と呼ぶのだそうです。白いものがついている棒は、合図棒といい、釣り竿の先に発砲スチロールを円形に切ったものをつけているのです。タッパーは誰でもいいのではなく、その相手の選手との呼吸が試合を左右します。ターンやゴールタッチのタイミングがずれてしまうと、壁にぶつかってしまう危険もあるのです。当然そのことに対する恐れや不安も選手は併せもっていると思います。ですから、タッパーは相手の選手と一緒に試合や練習を重ねていく必要があるのです。自分を水先案内してくれるタッパーを信じて、ひたすら泳いでいる選手の姿に感動しました。と同時に、私たちの身近なところにも、自分の進む道を照らし導いてくれる誰かが必ずやいると思います。そして将来、私たち自身も誰かを導いていく使命を一人ひとりが担っているといえるでしょう。その日のために、よい準備をしながら成長していきたいものです。

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