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MORNING TALK

朝の心

“創造価値”

2005.04.26
朝の心

 文化祭まであと2週間ほどになりましたので、それに向けていろいろな準備が着々と進められているのではないかと思います。寮でも、高校生の自習監督をしていると、どこからともなく中学生の歌声が聞こえてきます。さて、文化祭のようにみんなで協力して何かをつくり上げていこうとするとき、そこには普段とは違うさまざまな役割分担がなされます。中心になってみんなを統率する役割の人もいれば、コツコツと地味な作業に徹する人もいますし、みんなの雰囲気を盛り上げる人もいます。ここで大切なことは、本人が気づいているか気づいていないかにかかわらず、みんなが一人一人自分にしかできない役割を持っていて、そのどれもが大切だということです。聖書の中で、パウロは次のように言っています。「体は一つの部分ではなく、多くの部分から成り立っている。たとえ足が、『私は手ではないから体に属していない』と言ったとしても体に属していないということにはならないし、目が手に向かって『お前はいらない』ということもできない。体にはすべての部分が必要なのだ」と。同じことを精神科医のフランクルは「創造価値」という言葉を使って説明しています。この「創造価値」とは、「その人がなさねばならない何か」、「その人になされるのを待っている何か」のことです。つまり、人にはその人にしかできないこと、その人にされるのを待っていることが必ずあり、それをなし遂げるのが各自の役割だということです。さて、文化祭の準備の時に、この「創造価値」という言葉を思い出してみてください。私はいてもいなくても一緒ということは決してありません。今ここで、自分にできることは何か、自分にしかできないこと、自分になされるのを待っていることとは何だろうかと一所懸命探してみてください。そして、それが一つでも多く見つかれば素晴らしいと思います。

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