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MORNING TALK

朝の心

“無関心”

2005.04.26
朝の心

 連日、アメリカでのテロに関連するニュースが新聞でもテレビでもたくさん報道されています。アメリカの報復攻撃のニュース、パキスタンでの大規模な反米デモのニュース、アメリカでの炭疽菌事件とテロとの関連性についてのニュースなど。ところで、毎日毎日飛び込んでくるニュースに、みなさんは何を感じているのでしょうか。怒りでしょうか、悲しみでしょうか。残念なことに、別にどうでもいい、日本は平和でよかった、そのように感じている人が実は一番多いのかもしれません。テロ事件の朝、飛行機に乗っているはずの息子から電話をもらった人がいます。「お母さん、いま僕の乗っている飛行機がハイジャックされた。もうだめかもしれない。お母さん、愛してるよ。」そういい残した息子はどんな気持ちで自分の最期を迎えたのか、そして母親はどんな気持ちだったのか、それを思うと本当に胸が痛みます。崩れ行くビルの中から、必死に無線で助けを求めた人もいました。ドアが開かない。部屋から出られない。そして徐々に迫ってくる煙と炎。そんな恐怖の中で迎えなければならなかった最期。また、アフガニスタンでは、静かな眠りを突然の爆音に引き裂かれ、暗闇の中を恐怖におびえながら家族を連れて必死に逃げ惑った人もたくさんいたことでしょう。何千人、あるいは何万人というテロや戦争の犠牲者の一人一人が、私たちと同じ尊い命を生きる人間であることを私たちは決して忘れてはいけません。マザーテレサは言っています。「愛の反対は憎しみではない。愛の反対は無関心である」と。私たちはどうでしょうか。戦争を止めさせたいと望んでも、私たちは無力かもしれません。しかし、一人一人が自分の心の中の無関心と戦うとき、私たちは平和への一歩を踏み出すことになるのではないでしょうか。

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