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MORNING TALK

朝の心

“かぜをひくとき”

2005.04.26
朝の心

 先週、ちょっと風邪をひいてしまいました。のどが痛かったり、せきが出たり、鼻水が出たり、寒気がしたり、なかなかたちの悪い風邪で数日にわたってその症状に苦しめられました。しかし風邪をひくたびに思うのですが、風邪の時には、つらいだけではなく貴重な体験もすることができます。たとえば、病気になると、病気の人の苦しみを体験的に理解することができます。健康なときには「風邪くらいで」とか「たかが風邪で」などと風邪の人のことを話したりしてしまいますが、いざ自分が風邪をひくと、結構つらいものだったんだと改めて気づいたりします。そのほかにも、風邪をひいたときにできる貴重な体験はいくつかあると思いますが、その中でも一番の貴重な体験は、立ち止まって自分に目を向けることができることだと思います。これは風邪をひいたときだけではなく、何か失敗をしたり、間違いを犯したり、何か悩んだりするときも同じです。普段、私たちは自分が何を考えているのか、何を感じているのかということには、あまり目を向けません。そんなことをいちいち気にしなくても、普段はうまくやっているからです。しかし、ひとたび心や体のバランスが崩れると、目は自然と自分の方に向かいます。どうして風邪なんかひいたんだろう、なんであんな失敗をしてしまったんだろう、なんであんなこと言ってしまったんだろう…、そういう様々な思いにとらわれて、自分を見つめ直します。心や体のバランスを崩すことは、つらいことではありますが、それがなければ自分に目を向ける機会もきっとありません。ですから、このようなときに自分自身をしっかり見つめてみることは、その後の成長のために、非常に貴重な体験になるのではないでしょうか。

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