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MORNING TALK

朝の心

“休みの日に”

2005.04.26
朝の心

 アーノルド・ローベルの書いた「ふたりはきょうも」という絵本の中に、こんな話があります。かえるくんとがまくんは大の仲良しなのですが、ある朝がまくんがかえるくんのうちへ遊びに行くと家の戸に張り紙がしてあります。「親愛なるがまくんへ。僕はいません。出かけています。独りきりになりたいのです。」がまくんは不思議に思います。かえるくんはきっととても悲しいんだとか、きっとぼくのことを嫌いになったんだとか、いろいろと心配します。心配になったがまくんは、かえるくんを元気付けようとサンドイッチとアイス・ティーを作ってかえるくんを探しに行きます。かえるくんは、川の中の小さな島に独りでポツンと座っていました。不器用ながまくんが、やっとの思いで島ににたどり着いたとき、かえるくんはとてもうれしそうな表情をしていました。そしてこんな説明をしてくれます。「僕はとてもうれしいんだ。今朝目を覚ますとお日様が照っていて、とてもいい気持ちだった。自分が1匹のかえるだということが、いい気持ちだった。君という友達がいてね、それを思っていい気持ちだった。なんで何もかもがこんなに素晴らしいのか、そのことを独りで考えてみたかったんだ。」さて、みなさんは、この連休をどのように過ごしましたか?日本人は、休みになると普段できないことをしなければいけない、楽しまなければいけないと考えていろいろと活動し、休みが終わってみるとかえって疲れていることも多い気がします。また、普段の生活がとても忙しいので、日常の中の素晴らしさ、小さな感動、小さなしあわせに気づく心もだんだんと衰えているような気がします。休みの日には、いろいろな予定をこなすだけではなく、時にはこのかえるくんのように少しゆっくりと時間を過ごし、日頃の生活を振り返りながら、そこに普段見落としている日常の中の素晴らしさを見つけてみることもとても大切だと思います。

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