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MORNING TALK

朝の心

“平和の使徒となれ!”

2005.04.26
朝の心

 今日、9月11日は、アメリカで起きた同時多発テロ事件から1年になる日です。その瞬間をテレビで観ていた世界中の人々にとって、実にショッキングな事件でした。その事件から、世界はテロ撲滅の大義名分のもと、アフガニスタンでのアルカイダ攻撃をはじめ、アメリカやイスラエルへの反発を強めたイスラム圏の頻発する自爆テロ事件、それに絡む報復攻撃が相継ぎ、日増しに不穏な情勢を見せております。この1年でどれだけ多くの市民がこの憎しみや報復の繰り返しの中で命を落としていったことでしょう。これから先、一体どこまで憎しみと復讐の連鎖は続き、どれだけの市民、特に子供たちの命が奪われていくのでしょう?この不安と恐怖の渦巻く世界情勢の中にあって、先日、NHKテレビの企画した、アメリカの若者たち、イスラム圏の若者たち、日本の若者たちの平和についての討論会を観る機会があり、少しホッとさせられたことがありました。その中、ニューヨークの貿易センタービル崩壊で兄を失った青年が、復讐は絶対に許されないし、暴力では何も解決できないことを強く訴え、互いに赦しあうことだけが人類社会の救いの道であることを主張していました。また、同時多発テロで家族を失った何人かのアメリカ人がアフガニスタンに渡り、アメリカ軍の爆撃で家族を失った人たちに謝罪し、抱き合って悲しみを共にしたことも知りました。復讐と憎しみを断ち切るのは「ゆるし」しかないということは分っています。しかし、それが人間の世界でどれほど難しいことであるかということも、人間の歴史を見れば分ります。しかし、最も憎しみと復讐を抱くことがゆるされ、誰よりも悲しみと絶望の淵に立たされている人たちが、一生懸命に赦そうとしている姿を見るとき、人間の崇高さと平和への希望を見出したような気がしました。今週末に私たちは体育祭を迎えます。力の限りを尽くし、大いに楽しみましょう。そして平和のすばらしさを共に満喫しましょう。私たち日本人には世界に向かって平和のすばらしさを伝え、訴えていくという、「平和の使徒」となる務めがあると思います。そのためにも、今、自分が何をしなければならないかを考え、心に問いかけて欲しいのです。

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