最近、心から感動したことがありますか。先日、「家族に捧げる感謝の集い」が催されました。そのなかでみなさんの代表者の詩や作文が朗読されましたが、普段は口に出せないような親や家族への感謝の気持ちがとても素直に表現されていて、わたしたちの胸を打ちました。
　俳優の森繁久弥さんは「感動は人と人との間で起こる」と言っています。森繁さんはテレビよりも舞台が好きです。それは自分が感動して演技すれば、その感動が観客に伝わり、劇場全体の雰囲気を作っていけるからです。感動は伝わるものなのです。
　理科の実験で２本の音叉を向かい合わせて片方を軽く打つと、もう一方にその音が伝わるように、感動も伝わります。しかし大切なことは、まず自分自身が感動していなければならないということです。
　「感謝の集い」で、聞いている人の胸を打つことができたのは、発表した本人たちが感動していたからだと思います。
　感動する気持ちは決して女々しいものではありません。感動は生活に潤いと喜びをもたらすものです。
　人と人とが直接、面と向かって素直な感動の気持ちを伝え合うとき、わたしたちの生活はもっと豊かなものになっていくでしょう。