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MORNING TALK

朝の心

イマジネーション

2005.06.18
朝の心

 「一を以て十を知る」,「以心伝心」,私たちは言葉やしぐさの中にこめられた相手の気持ちやメッセージを実に細かく,的確にとらえることのできる文化の中で生まれ,育っています。だから文章の行間にかくされた心情を読み取り,言葉の余韻を楽しんでいくことができるのです。受け手がそうであるなら,伝え手の方でも,自分の言葉やしぐさが相手にどんな影響を及ぼすのかを考え,言葉や表情を選びます。“イマジネーション”,想像力というのでしょうか。豊かなイマジネーションがあるから,人間関係がスムースに保たれ,世の中の秩序や平和が維持されたと思います。ところが近頃,子供の世界でも,言葉による暴力,いじめなどが相次ぎ,自らの手で命を絶つという悲しい事件が後を絶ちません。また無差別に大勢の人が傷つき,殺されるという恐ろしい事件も起きています。身近なところでも,紙屑やタバコの吸い殻を辺り構わず捨てて,平気でいる人がたくさんいますし,空き瓶や空き缶を放置して気にも留めない人が大勢います。他の人が迷惑し,不快な思いをすることなど考えられないのでしょうか。言葉やしぐさの余韻を楽しみ,ゆたかなイメージを膨らませていくことのできる文化は一体どこに行ったのでしょう。
 イマジネーション……。私という1人の人間がどれだけ多くの人と関わりを持ち,影響を与えている存在であるのかを考えてみようではありませんか。

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」 (マタイ7:12)

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