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MORNING TALK

朝の心

鏡に見てもらう

2012.06.01
朝の心

皆さんは、毎朝、鏡を見ていますか? ほとんどの人が、朝起きてから家を出るまでに一度は鏡を見ていると思います。毎朝、校門の前に立って皆さんに挨拶していて、時々鏡を見ずに登校してきたのかな、と思うような人もいないわけではありませんが。
松原泰道という臨済宗の御坊さんが、鏡について面白い説明をしています。松原さんは、「『鏡を見る』というのは人間の思い上がりで、『鏡に見てもらう』というべきだ」と説いています。なぜなら、私たちは自分の顔を見られないからです。鏡に見てもらうことによって、ネクタイがゆがんでいたり、歯磨き粉が口についたままであったりすることに気づくことができるからです。さらに、「鏡は自分のありのままを映してくれるものですから、『鏡を見る』ということは、『自分を知る』ことにつながります。自分を修正し、きれいな形にしていく営みが『鏡を見る』ことであり、それはつまり、『鏡から見られている』ということなのです」と説明しています。
そして、話はこう続きます。「鏡という名詞を動詞にすると、『かがみる』、『かんがみる』になります。『かんがみる』とは、反省する意味の『省みる』となります」と。

さて、新学年が始まって、ちょうど2か月がすぎました。高校総体も終わり、1学期の折り返しの時期で、一つの区切りを迎えたと言えるでしょう。2か月前の新学年当初、個人で、クラスで、学年で、あるいは部活動で、それぞれにいろいろな決意や気持ちを新たにしたと思います。それについて、今いちど「かんがみる」、そして少し「省みる」のに良い時期ではないでしょうか。もし、新学年で決意した目標や取り組みがいつの間にかおろそかになっているのなら、まだ2ヶ月しかたっていませんので十分修正もききますし、取り戻せるはずです。
毎日、しっかり鏡をみて、つまり「己をしっかり見つめて」、6月からもがんばっていきましょう。

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