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MORNING TALK

朝の心

「求めない」生き方

2012.06.15
朝の心

 昨年の大震災で日本人の多くが気づかされたのは,「誰かとつながっていることの大切さ」「人とのつながりのいとおしさ」だったと言われています。そして,それと同時にわたしたちは「人間の無力さ」「いのちのはかなさ」も思い知らされました。そんな中,いま日本では新しい価値観,新しい生き方の模索が始まっています。それは,次々と新しいもの・便利なものを求め大量生産・大量消費をしてきた物質的に豊かな日本に暮らしながらも,モノに恵まれるだけでは決して心が満たされないことに気づいたからです。では,本当に大切なものとは何なのでしょうか。津波の被害を受けた宮城県のある主婦は,次のように言っています。「何も無くなったけど,本当に大切なものが何なのか分かりました。“家族”」と。本当に大切なものは,実はわたしたちの身の回りに当たり前に存在しているものなのかもしれません。
 何かを求め続ける生き方から,今ある幸せに目を向け「求めない」生き方へ。そんな生き方の転換ができれば,もっとシンプルでもっと豊かな生き方ができるのかもしれません。中国の「老子」の研究家である加島祥造さんは,「求めない」という本のなかで次のように述べています。
 「求めない――すると いまじゅうぶんに持っていると気づく
  求めない――すると いま持っているものがいきいきとしてくる
  求めない――すると いま自分にあるものが素晴らしく思えてくる
求めない――すると 心に平和が広がる」と。
 さて,わたしたちも,まずは身近な家族,友達,いまの生活など,いま持っている幸せに目を向け,それを大切にしていきたいと思います。

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