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MORNING TALK

朝の心

リニアモーターカー

2013.07.13
朝の心

 日本のリニアモーターカーは、いつ実用可能になるか知っていますか。予定では、2027年だそうです。1972年に走行に成功し、1999年には人を乗せた走行で時速552キロを記録しています。以前、宮崎にあった実験の線路は、現在山梨県に移り、実用化に向けたテストが何度も繰り返されています。技術的には世界で一番すぐれているそうです。
 ところが、最近知ったのですが、中国の上海ではすでにリニアモーターカーが実用化されているというのです。上海浦(プー)東(ドン)国際空港から上海市内まで30キロの区間で、普通の電車なら30分かかるところを7分で走っています。ただ、時速300キロを超えると揺れも激しいそうです。この上海のリニアモーターカーはドイツ製ですが、これほど高速で営業運転しているのは世界で唯一中国だけで、実用化(商用化)されてもう十年になるといいます。
日本のリニアモーターカーは最初の実験から四十年以上たち、実用予定はさらに十年以上も先です。一方、上海のリニアモーターカーは外国から買った技術で、揺れが激しく距離も短いですが、十年間も実用運転を重ね、経験を蓄積しています。安全性の最優先は当然のことながら、あくまでも自前にこだわり、距離を意識し、いつまでたっても実用化に踏み切れない日本と、リスクを恐れずチャレンジしつづける中国のどちらが良いのかは分かりません。ただ、こういった姿勢の違いが、今の中国の活発な経済の動きに影響しているという専門家もいます(『100円のコーラを1000円で売る方法3』参照)。

 さて、「最善は善の敵である」というドン・ボスコの言葉があります。何かを始める時、完璧な環境や完全な状態ばかりにこだわっていると、いつまでたっても始めることができないということです。いろいろと不便な環境で不完全な条件かもしれない、限られたメンバーしかおらず、道具や材料に不足があるかもしれない。しかし、それでもまずはできることから、やれるところから取り掛かり、とにかく行動してみること。そういった積み重ねこそが確実な方法であり、成功する近道となるのではないでしょうか。

写真
写真は華道同好会:川野清楓さん(3−C)の作品

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