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MORNING TALK

朝の心

人が死んだ後に残るものは・・・

2013.07.18
朝の心

 人の相談を聞き,一緒にその悩みの解決を目指すカウンセリングには,代表的な2つの立場があります。1つは,その人の悩みの原因を探りその根っこを取り除こうとする精神分析療法,もう1つは今の行動を解決すれば自然と心も癒されるという行動療法です。ちょっと極端に説明すると,たとえば人を信じることができないという人が相談に来た場合,精神分析療法では,その人の幼児期の親子関係から見直していくのに対し,行動療法では,とりあえず信じる練習をしてみようというような立場をとるということです。
 さて,1学期が終わろうとしていますが,この1学期はみなさんにとって充実した幸せな学期でしたか?わたしは,「幸せ」について考えるとき,幸せになるためにも先ほどのカウンセリングと同じような2つの方法があるのではないかと思います。1つは,日常の当たり前の生活がどれほど恵まれているかをじっくりと味わう方法,もう1つは,とりあえず幸せになるために行動してみることです。ただ,行動といっても自分の欲しいものを手に入れようとすることではありません。ここでいう行動とは,周りの人を幸せにしようと行動することです。それは,笑顔で挨拶をするといった簡単なことでも構いません。ジェラール・シャンデリという人もこんな言葉を残しています。「人が死んだ後に残るものは,集めたものではなく,与えたものである」と。
今年度,わたしたちは「faccio io」「わたしがやります」をスローガンに学校生活を送っていますが,これは学校をよくすることだけが目的ではないと思います。いやなことを進んで行うことは,周りの誰かを幸せにすることであり,それが自分の幸せへとつながっていくのです。1学期の終わりにあたり,自分はどれくらい「faccio io」を実践できたかな?と反省し,これから始まる夏休みや2学期を,さらに有意義に幸せに過ごすことができるように努力してみてはどうでしょうか。

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