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MORNING TALK

朝の心

今こそ「絆」を

2013.09.19
朝の心

 高校生のみなさんが体育大会で盛り上がっていた9月7日土曜日,全世界では多くの人々が特別な一日を過ごしました。それは,教皇フランシスコが,「善意ある人」すべて,すなわち全世界のカトリック信者だけでなく,他の宗教や無宗教の人も含めて,シリアのため,そして全世界の平和のために祈りと断食を捧げようと呼びかけられたからです。
 2年以上内戦の続いているシリアでは,すでに国外に逃亡して難民となった人が200万人を超えましたが,いまだ200万の子どもが取り残されています。そして,学校が爆撃を受けたなどの理由で半数近くの子どもが授業を受けられなかったり,みなさんよりも幼い小学生のなかにも銃を持たされて戦う子がいたり,食べ物がなく栄養失調で命を落とす子がいるなど,信じられないような状況の中で多くの子どもたちが生活しています。また,この内戦での死者はすでに11万人を超え,その半数は民間人だといわれています。つまり,多くの人がこの内戦に巻き込まれ,大切な家族や友人を殺されているということです。
 わたしたちにとってシリアは遠い国で,なかなかイメージもわきません。しかし,そこで暮らしている人たちは私たちと同じように家族を大切に思い,平和を願う人たちです。わたしたちと同じように,家族や友人の死に耐えがたい悲しみや苦しみを感じる人たちです。そして,わたしたちは忘れてはいけません。2010年に宮崎で口蹄疫が発生した時に,日本中から温かい支援の手が差し伸べられたこと,2011年,東日本大震災のときに世界中から支援が寄せられ,絆の大切さを感じたことを。遠く離れた人のことを思いやり,自分も何かしたいと感じそこにつながろうとする「絆」の感覚を,私たちも大切にしなければいけないと思います。

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