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MORNING TALK

朝の心

あなたは塵であり・・・

2014.03.06
朝の心

 先日,中学校の卒業式がありました。その数週間前から,中3の生徒たちが口々にこんなことを言ったことがとても印象的でした。「残り少ない日々を大切にしたい」,「最後の月曜日とか,最後の国語の授業とか,最後という言葉が増えて,それを聞くと切なくなる」「一日一日を大切に楽しく過ごしたい」などなど。こういった気づきはとても大切だと思います。しかし,わたしたちは普段は全く意識しませんが,実は,生まれた瞬間から一歩一歩,死という終わりに向かって進んでいく存在なのです。
 明日,3月5日水曜日はカトリックの暦では「灰の水曜日」と言われ,この日から復活祭までの40日間,いろいろな犠牲をするなどして,各自で心の準備をしていきます。この「灰の水曜日」のミサの中では,次のような言葉が司祭によって唱えられます。「あなたは塵であり,塵に帰っていくのです」と。人はほんのひと時だけ大切な命を預かりますが,それもいずれ失い,また土に帰るはかない存在なのだということを表しているのでしょう。卒業式直前の生徒たちもそうだったように,終わりを意識することでそこに気づきが生まれ,ほんのひととき預かったこのいのちを,自分が自分なりに精いっぱい生きているか,しっかり輝かせているかを素直に見つめ直すことができる貴重な機会になるのだと思います。
 今年度の終わりに向かって,残された日々を一日一日大切にしてきましょう。そして,そうやって大切にした日々やその時の気持ちを,ずっと忘れないようにしましょう。それによって,本当の来たるべきいのちの終わりの時に向かって,一瞬一瞬を大切にする生き方ができていけば素晴らしいと思います。

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