MENU

閉じる

閉じる

MORNING TALK

朝の心

ヘレン=ケラーの幸せ

2014.06.13
朝の心

 皆さんもよく知っているヘレン=ケラーは,1歳9か月のときに,高熱が原因で聴力・視力・言葉を失いました。しかし,7歳のときに運命的に出会った家庭教師のサリヴァン先生の熱心な指導によって,指文字で言葉を理解し,そして自分の耳には全く聞こえないにもかかわらず,言葉を発することができるようになりました。また,サリヴァン先生の助けを借りながら大学で学んだり,大学卒業後は障害者の福祉や教育のために世界中を飛び回って講演するなど,とても「見えない」「聞こえない」「話せない」暗闇に閉ざされていた人とは思えない活躍をしました。
 そんなヘレン=ケラーは,ある講演会の最後にこんな質問をされました。「あなたは,目が見えるようになることを願っていますか?」と。ヘレン=ケラーは次のように答えました。「いいえ。わたしは,光の中を一人で歩くより,闇の中を友達と歩きたいと思います。友がいれば,世界は日々生まれ変わります」と。ヘレン=ケラーの人生から,わたしたちはしばしば,見えること,聞こえること,話せること,そういった日常の何でもない当たり前のことが,本当はとても恵まれていて幸せなことなのだと考えさせられます。しかし,ヘレン=ケラー自身は,実はそういった当たり前の幸せを望んではいなかったのです。サリヴァン先生のような友を持つこと,そして先生がそうであったように自分も暗闇にいる人に友として手を差し伸べること,それこそが本当の幸せであると確信していたのでしょう。わたしたちも,自分から進んで友達や家族など身近な人に優しくできるとき,自然と心が満たされていくのだと思います。今週末には「家族にささげる感謝の集い」が行われます。あらためて,家族や友達を大切にすることができる幸せを感じてみたいと思います。

閉じる