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MORNING TALK

朝の心

いやな努力も続けてみると

2014.06.24
朝の心

今、世界中がブラジルで行われているワールドカップに熱い視線を送っています。私も日本チームだけでなく、諸外国のチームのスタープレーヤーの華麗な技の数々を見ると、興奮を抑えられません。しかし、そのような個人技や人並み外れた体力が、私たちの想像を超える普段からの熱心なトレーニングに支えられていることに、私たちはあまり目を向けません。彼らはサッカープレーヤーであることを天職としていますが、それは彼らがただラッキーだっただけではないということです。
先日、オバマ大統領が日本を訪問したときに、安倍首相と会食をした寿司屋「すきやばし次郎」の主人、「小野次郎さん」は、すしを握って一筋63年の大ベテランで、ミシュランガイドでも三ツ星に選ばれる店を今でも息子さんと切り盛りしています。そんな世界的に有名な職人である小野さんに、ある新聞記者が仕事について聞いてみると、意外な答えが返ってきたといいます。
「そもそも自分は、鮨職人になりたかったわけではない。料理の才能だって大したことはない。7歳で奉公に出されて、頼る身寄りも帰る家もない。首になれば飢え死にするしかないから、目の前の仕事を必死にやるしかなかった。だから、この仕事は合わないとか、向いていないとか、そんな若い人を見ていると、一言言いたくなる。
『仕事っていうのは、合う合わないじゃなく、こっちから努力して合わせていくものだ…』」
小野さんは、「俺はこの道で行く」と心を決め、目の前の仕事を嫌なことでも手抜きせずにずっと続けてきたからこそ、みんなに認められる職人になれたと言えます。
私たちは、自分たちの将来を考えるとき、自分のやりたいこと、興味のあることをまず考えます。だからでしょうか。普段の生活でも、面白くない勉強、興味の湧かない仕事については、ほどほどにしたり、「これはわたしには合わない」と言って、一向に手をつけなかったりすることがあります。そんなとき、小野さんの「仕事っていうのは、こっちから努力して合わせていくもの」という言葉を、思い出したいものです。「いやだな」とか「苦手だな」と思うことが目の前に現れても、自分からトライしてみる、手抜きをしないで続けてみる努力を惜しまないようにしたいものです。それが、君たちの将来への確実な土台となっていくのです。

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