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MORNING TALK

朝の心

人の口は、心からあふれ出ることを語る

2014.06.30
朝の心

 先日、修学旅行で長崎を訪れた中学生が、被爆者に向かって暴言をはいたというニュースがありました。また最近では、都議会で発言中の女性議員に対し、侮辱的な言葉が放たれたというニュースもありました。そこで今日は、言葉について少し考えてみましょう。

まず、お話を一つ紹介します。
「ある日、はさみとのこぎりと舌が自慢話をしていました。『僕はどんな紙でも布でも自由自在に切れるよ』とはさみが言いました。のこぎりも負けじと『僕もどんなに堅くて大きな木でも伐り倒せるぞ』と言いました。すると舌が言いました。『でも君たちは僕にはかなわないだろう。人の名誉や評判を切りさくのは、僕にしかできまい。親友同士の友情を一瞬にして断ち切り、家族の愛情をひきはなすことは朝飯前よ。君たちは自分の刃を自慢しているが、私の方がずっと鋭く、強く、なくなりもしない!』」(『朝のこころ』より)

 言葉というのは、人を励ますこともできれば、一瞬にして人間関係を崩してしまうこともできます。友人関係や親子関係にも、あの時のたった一言が今でも支えになっているとか、逆にあの言葉には今でも傷付き、その一言のせいで関係をこじらせているという経験を持つ人もいるでしょう。
 
 私たちは時々、言葉の意味や受け取る側の気持ちをよく考えずに言葉を口にしてしまいます。特に、人を傷つるような言葉を口にしてしまったときには「本当はそんなつもりはなかった」などと言い訳をします。しかし果たしてそうなのでしょうか。聖書には「人の口は、心からあふれ出ることを語るのである」(ルカ6・45)と書いてあります。本当は心のどこかでそう思っているから、あるいは日頃から人を馬鹿にするような言葉を使っているから、つい出てしまうのではないでしょうか。「善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す」(ルカ6・45)のです。
 
最後にドン・ボスコの言葉を紹介します。
「話すとき、君と話をする相手が、みな君の友人となるように」(『ドン・ボスコのことば100』)。


写真
写真は華道同好会
下沖留美さん(3−C)の作品

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