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MORNING TALK

朝の心

ドン・ボスコの欠点

2015.01.24
朝の心

ドン・ボスコは聖人でした。聖人というと完璧な人物をイメージしがちですが、彼は決して完璧な人ではなく、欠点もたくさん持っていました。若い頃の欠点の一つは、「かっとなりやすい」ことでした。正義感が強いあまり、そうでない人や不道徳な態度の人にかっとなって飛びかかり、腕力で押さえつけようとしました。「9歳の夢」の中でも、汚い言葉を発している子供たちを力ずくで黙らせようとしました。また、友人ルイジ・コモッロがいじめられているのを見つけ、かっとなってその相手をなぎ倒しました。勉強することを理解してくれない兄アントニオには、幼い頃たびたび生意気な口応えをして、兄弟喧嘩になったといいます。
 こうした欠点を持ちながらも、ドン・ボスコは夢の中で「暴力はいけない。柔和と愛をもって子どもたちと接しなさい」と諭され、「神様が君に腕力をくださったのは、仲間を張り倒すためではなく、互いに愛し合い、ゆるし合い、危害を加える人たちにも恩恵を施すこと。これこそが神様の望みだよ」という友人コモッロからの注意を聞き入れていきます。それらの忠告を受けとめながらも自分の欠点がついつい出てしまい、時には落ち込んだこともあったことでしょう。それでもあきらめずに忍耐と努力をくり返し、あの柔和なドン・ボスコへと成長していったにちがいありません。

ドン・ボスコが創立したサレジオ会は、聖フランシスコ・サレジオという聖人の名から名付けられたものです。聖フランシスコ・サレジオはどんな人に対しても、たとえ命を狙う敵に対しても柔和と謙遜で関わり続けた人でした。この聖人のようになりたいというドン・ボスコの願いが、サレジオ会という名前に込められています。そして、彼がいかに自分の欠点と闘ってきたか、その気持ちの強さが伺えます。

誰にでも欠点はあるものです。大切なのは、その欠点を克服しようという姿勢で、そのためには周りからの助言や指摘を素直に受け入れる心を持たなければなりません。ドン・ボスコは、人間的な弱さを持ちながらも周りからの忠告を聞き入れ、より良い人、神の望まれる人になるよう努力を重ねました。己の欠点を知り、克服するための忍耐と努力をした人であったからこそ彼は聖人になったのです。まさに「己を知り己に克て」の精神が、ここにあります。

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