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MORNING TALK

朝の心

3S

2015.02.09
朝の心

 町工場というと「汚い」「きつい」「危険」の、いわゆる「3K」のイメージがありますが、そのイメージを取り払って業績を伸ばしている会社があります。大阪にある山田製作所という所です。この工場では脱3Kを行い、整理、整頓、清掃という「3S」に取り組みました。
 まず、捨てることから始めました。工場の中で半年以上使っていない物は処分しました。4トントラックで3台分になったそうです。すると物を捨てることで、油まみれでタバコの吸い殻だらけの床がむき出しになりました。それで、みんなで床を磨いてペンキを塗りました。社員全員で「ヤッター!」と喜んで床に寝そべったら嬉しさ半減、赤錆だらけの天井に気づきました。そこで、皆で「よし、塗ろう」と言って天井もきれいにしました。
さらに「使わない物は捨てる」を徹底することで、「いらない物は買わない」ようになり、コスト削減に繋がりました。また自由に動けるスペースが広がり、仕事に効率と余裕が生まれ、そこから互いに思いやる気持ちが出てきました。何よりも自分たちの会社だという意識が強まったことによって、全員で経営目標を立てて頑張るようになり、売り上げを伸ばしていったということです(「リレーおぴにおん『捨ててこそ4』[朝日新聞]参照」。

 先週、高校生の皆さんは、学院を受験する中学生のために約1時間かけて校舎内外を熱心に掃除してくれました。その日の夕方、戸締りのために巡回した校内は、日頃の乱雑な校舎から一転、整理整頓が徹底し、清掃の行き届いた素晴らしいものでした。非常に洗練された雰囲気さえただよい、まさに3Sの学校でした。と同時に、受験生をきれいな学校で迎えたいという皆さんの暖かな心も伝わってきました。

 学校の良し悪しは建物ではありません。学ぶ生徒の中身であり、教える教師の質であり、それらを取り巻く家庭や地域の暖かさだと思います。しかし、中身の良さは徐々に外に表れてくるものです。まずは服装の身だしなみを整え、自分の身の回りを整頓し、教室や廊下、部室、グラウンド、体育館などに一人ひとりが3Sの意識を持てば、きっと学校に対する愛着がもっと深くなり、学院生としての自覚も強くなってくるはずです。そこから、隠れていた、あるいは気づくことができなかった大切なものが見えてくるかもしれません。さあ、自分たちのできることから、3Sの学校にしていきませんか。

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