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MORNING TALK

朝の心

東日本大震災から4年

2015.03.12
朝の心

 今日(昨日)は、東日本大震災から4年目にあたります。インフラ、鉄道、道路などの復興は着々と進んでいるものの、20万人以上の人々が住み慣れた土地を離れ、いまだに9万人もの方々が仮設住宅で暮しています。中でも福島の復興は安全・安心のめどがたたず、本当の復興が訪れるまで気の遠くなるような年月がかかることは明白です。まだまだ心の傷が癒されず、苦しんでいる人たちがたくさんいます。
 その中の一人、宮城県女川(おながわ)町に住む高橋康雄さんは、震災の津波で奥さんを亡くしました。そのため奥さんの遺体を探そうと、今でも仕事の合間をぬって海に潜り続けています。「女房を見つけてやりたくてね。海に潜っていると女房がいるような気がして。気がするだけなんだろうけど……。たぶん、あのあたりにいるんだろうから」。そんな気持ちで2013年9月から海に潜りはじめ、すでに50回ほどになりました。1日で数時間の「捜索」です。
また、仮設住宅に住んでいた人は、次々と新しいところに引っ越していきます。早く仮設住宅を出ることができたのは、どちらかというと活発で情報に強く、自己資金がある人たちでした。一方で、今でも仮設住宅の生活を余儀なくされているのは、まだ行き先が見つからないなど、先の見通しが立たない人々です。そして、たくさんの人が引っ越していった結果、仮設住宅には独り暮らしや身寄りのない方々が残り、寂しさをさらに助長させています。
このような中、今、私たちにできること何でしょうか。仙台教区の平賀徹夫司教様はこう言っています。「大震災直後に人々の間で好まれた言葉が『絆』です。誰でもいつでも、どこでもできる支援の一番のことは、『忘れない』ことを意識し、絆を確認する『祈り』ではないかと思います」(『忘れず、寄り添い続けて』カトリック新聞3月8日号)と。
4年という歳月は、被災された方々と、遠く離れた宮崎に住む私たちとでは、異なった時の流れかもしれません。しかし東日本に起こった大災害のことだけではなく、今も多くの方々に支援や励まし、祈りがまだまだ必要であることを、せめて私たちは忘れないでいたいものです。そして、平賀司教様の勧めである「祈り」を通して生まれた絆を保ち続けたいと思います。


写真
写真は華道同好会
金丸侑樹さん(3−1)の作品

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