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MORNING TALK

朝の心

からし種

2016.11.01
朝の心

イエスは私たちに、神の国の到来を知らせに来ました。皆さんは、神の国とはどんなものだと考えますか。そこは、雲の上にあるとか、きれいな花畑が広がっているというような空間や場所を指すのではありません。神の愛の業が実現しているところです。そういった神の国のことを、イエスは「からし種に似ている」(ルカ13・19)と表現しています。どういう意味でしょうか。からし種の特徴から考えてみましょう。

からしの種はとても小さなものです。七味のちょうど一粒ぐらいの大きさです。
種は自分を殺して芽を出し、周りを活かして成長していきます。自分という殻を打ち破らないかぎり成長が始まりません。
種の成長はとてもゆっくりです。一朝一夕にしていきなり大きくなって花が咲いたり実がなったりすることはなく、毎日気づかないほど少しずつ、少しずつ、育っていきます。
その成長は内側から働きかけられます。周りからの圧力や強制的な力で成長させるのではなく、内部から成長が促されるのです。

こうして「どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になります」(マタイ13・32)。つまり神の国というのは、何かとてつもなく大きなことや、歴史に残るような偉大なことではありません。日常の小さな思いやりやちょっとした優しい声掛け、社会のために行うほんのささやかなことによって実現されていくのです。私たちができることはたいして大きくありません。それでも小さなことから毎日少しずつ、できる範囲で自ら進んで行うように心がけたいものです。

写真は華道同好会
金丸侑樹さん(2-B)の作品

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