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MORNING TALK

朝の心

教皇フランシスコ帰天

2025.04.24
朝の心

ねばろー会が延期になったという連絡をして、クラスにため息が漏れた月曜日の夕方、フランシスコ教皇が亡くなられたというニュース速報を聞いて、世界中が驚きました。88歳でした。

イエスの弟子たちのリーダーだったペトロの後継者である教皇として2013年の3月から12年間、フランシスコ教皇はカトリック教会14億人を教え導いてこられました。

教皇就任直後に教会のリーダーたちに対して「自分の羊の真ん中にいる、羊の匂いのする牧者となってください」というメッセージが心に残っています。羊から遠く離れて部下に面倒を見させるのではく、羊のことを本当に知るために羊のにおいが体につくくらい近よって、共にいること。

フランシスコ教皇自身、教会の伝統に縛られず、権威を示すような豪華絢爛よりも、質素と謙虚を断固として重視しました。教皇専用リムジンではなく、他の枢機卿や職員たちと一緒にバスに乗り込んだり、教皇専用の靴職人が作った靴ではなくふつうの靴を履いたり、率先して助けを必要としている人、貧しい人や移民たちへの配慮や奉仕の姿を示してきました。先日発表された遺言にも、ただ自分の埋葬の場所と墓石には特別な装飾はせず「フランシスコ」と書くように指示されていました。

「何のために生きているかではなく、だれのために生きているのか。だれと、人生を共有しているのか」ということを考えてほしい。これは6年前に来日された際に若者たちへ向けて語られた言葉です。人は自分のために生きるために生まれたのではなく、「誰か」のために生まれた。だから自分が頂いたタレントは誰かと共有するためのもの。人生を共有してください!これが日本の青年たちへ伝えたかったことの一つでした。ひとりひとり、その「誰か」が違います。それが自分のミッションということもできるでしょう。フランシスコ教皇のため、また次に選ばれる教皇様のために祈りつつ、自分が今どんなにおいがしていて、また誰のために生まれてきたのだろうかという問いを頭の片隅に置いてもらえたらと思います。

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