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MORNING TALK

朝の心

いのちを育む環境

2025.11.20
朝の心

先日慰霊祭の講演の中で、酒井神父様は「命を大切にし、育むために安心・安全な場、安心・安全な関係を作っていくことは大切なことだ」とお話ししてくださいました。今日はその安心・安全な環境ということをもう少し考えてみたいと思います。

1970年代のアメリカ・ボストンで始まったProject Adventure(略してPA)という体験型教育プログラムがあります。いろいろなゲームを通して、楽しく遊びながら、たくさんの学びの可能性があるプログラムです。

PAは人間の周りにコンフォートゾーン、ストレッチゾーン、パニックゾーンの3つの領域があると考えます。コンフォートゾーンとは,自分にとっていつも通りで安心・安全な領域のこと。そこにいると心地よいけれど,気づきや学びは生まれにくい。そこから一歩踏み出して,未知や不安,混乱の中に飛び込むチャレンジの過程の中に,気づきや学びがある。しかし,あまりに高い緊張や不安,危険のあるパニックゾーンでは,気づきや学びどころではありません。だからコンフォートゾーンから一歩踏み出す,自分で選ぶチャレンジが学びにつながるアドベンチャーを生むんだとPAは考えています。

クラスを学校をいのちを大切にする安心・安全な場所にしよう。それは決して自分にとって居心地の良い場所を仲の良い友達とつくろう、ということにとどまりません。それだけではチャレンジがないですし、その空間にいる他の人、合わない人、都合の悪い人がそこから除外される危険があります。そのような社会はよい社会なのでしょうか。

好みや距離感の違ういろいろな人達の中で、全員が受け入れられる場所。失敗しても支え合い、安心してチャレンジができる場所。そんな場所にすること自体もチャレンジです。むしろそのチャレンジをする力を得るため、コンフォートゾーンとしての安全な場所。ほっとできる自分らしく安心できる場所が大切なのです。安心の中にもちょっとした緊張感、一歩外に出る勇気とチャレンジ。きょうもクラスが学校がそんな場所になるように協力できたらと思います。

参照:プロジェクトアドベンチャージャパン(https://www.pajapan.com/)

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