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MORNING TALK

朝の心

行動はくせになり・・・

2014.10.01
朝の心

 コピーライターの田中ミエさんは,仕事で偶然出会った元FBIの捜査官と結婚し,その夫との生活の中で体験した日本とアメリカの文化の違いやFBIの常識と日本の常識のギャップなどを著書「ダンナ様はFBI」に綴っています。ダンナ様は,元FBI捜査官の経験を活かして,田中さんにいろいろな要求をしてきます。たとえば「デパートでも居酒屋でも,トイレに入る前はFBI式にドアを点検せよ」「電話では自分から名乗ってはいけない」「仕事の靴はハイヒールのみ」などなど。中には,「日本でも本当に必要か?」と思うようなものもありますが,要求の一つ一つに実は深い意味と妻への愛が込められて,非常に興味深い本です。
 さて,ダンナ様の要求の中には「青信号が点滅しても走って渡るな」というものもあります。なぜ点滅信号を渡ったらいけないのでしょう。交通事故にあわないためでしょうか。そうではありません。ダンナ様はこう説明します。「行動はくせになり,君の習い性になる。ちゃんと準備をして仕事に臨むことが大切なのに,案外簡単に仕事がすんでしまったら,そう,まるで青信号点滅で渡ってしまうことができたら,その味を覚えてしまうだろ。そうすると緻密さがなくなり,ジタバタが習い性になり,とにかくそこそこで間に合えばいいという甘さが出てくるんだよ」と。つまり,みなさんに置き換えると,たとえば遅刻ギリギリに登校したり,とりあえず形式的に宿題を済ませそれでも大丈夫だったというような経験をすると,みなさんの心には油断や甘えが蓄積し,いいかげんな行動が習慣化してしまうということです。
中体連や定期テストが近づいています。勉強でも部活でも日常生活の中でも,小さなことを大切にし,そこに偉大な精神をもって取り組む人,怠けたい自分や甘えたい自分に打ち克つことができる人は,素晴らしい心の持ち様とそれに基づく行動が習慣化し,勉強や部活をはじめとする様々なところで実を結んでいくことでしょう。自分の心や行動にどんな習慣がついているか,ぜひ時々点検してみたいと思います。

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