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MORNING TALK

朝の心

優しさ

2014.10.06
朝の心

 みなさんに「どんなタイプの人が好きですか?」と尋ねるとします。すると、男女ともに共通して多い答えは「優しい人」ではないでしょうか。どんな人が優しいかは人それぞれでしょうが、「優しい人」は、やはり魅力的です。

校長室に、書道の岩切先生の文字と、一昨年退職された美術の河野先生の絵画で構成された立派な作品が掲げられています。そこに書かれているのは次のような言葉です。

「人はやさしいほうがいい 木陰をつくる大樹のように
人は優しいほうがいい  優しい人の心には痛みに耐えた傷がある
痛みの深さだけ     他人にはやさしくなれるのだから」

 この詩には、自分の心に傷や痛みがある人は、その分だけ人に優しくなれるということが表現されています。深く傷付いた経験の分だけ、他人の心の傷にも敏感になれるという意味です。

 聖書のコヘレトの言葉に、「顔が曇るにつれて心はやすらぐ」(7・3)という表現があります。「顔の曇り」とは、痛みや傷によって心に憂いを持つということを指しています。考えてみれば「優しい」という字は、人偏に「憂(うれ)える」、「人」を「憂(うれ)える」と書きます。つまり、相手の痛みをどこまで自分のものとして感じることができるかがポイントなのでしょう(『前島誠『ワンポイント聖書』参照)。
 
 私たちは、他人の痛みや傷をなかなか理解できません。限界があります。それでも、少しでも自分の傷や痛みを振り返ってみて、他人の痛みや傷を理解し、思いやり、いたわることのできる「優しい」人になっていきたいものです。


写真
写真は華道同好会
岡田美紗希 さん(3−E)の作品

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