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MORNING TALK

朝の心

怠惰

2014.10.22
朝の心

「流れない水は腐る」という有名なことわざを皆さんも聞いたことがあるでしょう。怠惰(たいだ)、すなわち怠けることは、人の心を濁(にご)らせてしまうのです。ドン・ボスコも、この世における最後の瞬間まで、「愛する子どもたちよ、勉強の時間なら全力を勉強に打ち込みなさい。遊びの時間なら飛び回ってもよい。しかし、決して何もせずにぼんやりと怠惰(たいだ)のうちに時間を過ごしてはいけない」と教えていたのです。
 ある村では怠け者を直すためのこんな話があります。村の人たちは怠け者を捕まえて、深い穴の中に入れます。そして、穴の周りに集まり、バケツで穴の中にどんどん水を入れながら口々に叫びます。「あんな穀(ごく)つぶしの怠け者は穴の中でおぼれてしまうほうがよい」とか、「いや、それはかわいそうだ。もう少し様子を見てみよう。心を改めて勤勉になるかもしれないから」などと。これらの話し声を聞いて、穴の中の怠け者は気が気ではありません。何しろ上からどんどん水が入ってくるのですから、ぼんやりしていたら命がなくなります。穴の底には水をくみ出すためのボロの手押しのポンプがおいてあります。自分を助けるために怠け者は否応(いやおう)無(なし)にポンプを一生懸命押し始めます。休めると、見る見るうちに水が増えて命が危なくなりそうです。こうして二、三時間が経(た)て、水から出されると、たいていの人が変わって、勤勉になるそうです。
 私たちも一瞬間でもぼんやりと、何もしない時があってはいけないことを心に留め、貴重な時間を大切に過ごしましょう。

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