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MORNING TALK

朝の心

この世界の片隅に

2017.09.20
朝の心

 先日、「この世界の片隅に」という映画を見ました。戦争や広島の原爆を題材とした映画でありながら、人々の日常を笑いあり涙ありで描いたあたたかくすばらしい作品でした。ところで、原爆の話になると、わたしは特別な思いにかられます。1945年8月9日、長崎の浦上に落とされた原爆は、本来の目的地であった北九州市の小倉や長崎市の中心部の空が曇っていたために目標を変更して投下されました。その日、3歳だったわたしの父は小倉に住んでいました。小倉上空が晴れていたら、おそらく父は死んでおり、わたしがこの世に生まれることもなかったでしょう。わたしの命は、本当に偶然与えられたものであり、たくさんの方々の犠牲の上に生かされた命のように感じるのです。ある意味それはプレッシャーでもありますが、せっかく与えられた命なのだから、一日一日を大切に生きたいという思いにもなります。

 みなさんは、北朝鮮の核実験やミサイル発射のニュースを聞いてどんな気持ちになりますか。または、台風、豪雨、地震などで命を奪われた方のニュースを聞いてどんな気持ちになりますか。ミサイルが日本に落ちなければいいなとか、自然災害で亡くなったのが家族などの身近な人でなくてよかったという感覚でしょうか。そういう人も多いと思いますが、亡くなられた方々もおそらくはまさか自分がこんなかたちで最期を迎えるとはその日まで思っていなかったのかもしれません。人の命は、本当にはかないものです。だからこそ今日この一日を大切に生きたい、そんな感覚を多くの人が共有できれば、わたしたち自身も、この世界の片隅であるわたしたちの周りの世界も、少しずつ変わっていくのではないかと思います。

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