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MORNING TALK

朝の心

「私を愛しているか」

2018.02.07
朝の心

 イエス・キリストが十字架にはりつけにされて死んで、その3日後に復活したことは皆さんもご存知でしょう。今日はその後のお話を少しします。

 イエスは復活した後、たびたび弟子たちの前に現れて、メッセージを残しています。ヨハネ福音書には弟子たちと食事をした後、一番弟子のシモン・ペトロを呼び出して、次のような質問をしている場面があります。少し読みます。

 

 イエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか」。ペトロが「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存知です。」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。(ヨハネ21:16)

 

 この時のイエスの姿はどんなものだったのでしょうか。おそらく、手足には釘の跡も生々しく、鞭うたれた傷跡も見えたはずです。そんなボロボロのイエスが「わたしを愛しているか」と聞いてくるのです。ペトロだから「愛している」と答えますが、私だったらどう答えたでしょう。

 以前、私の実家にいた犬のヒナの話を「朝の心」でしましたね。実はその後日談があります。この冬休みに実家に帰ると、ヒナはまだ生きていました。でもほとんど動けず、外に置いておくと寒いので、両親が玄関の中に入れて、毛布でくるんでいました。一度、父がおトイレをさせるために毛布を外したときに見たヒナの体は、それこそ骨だけではないかと思うくらいにやせ細っていました。正直、とてもショックでした。耳も目もほとんど効かず、じっと呼吸だけをしている細い体を見せて横たわる光景は、私の胸を締め付けました。

 宮崎に戻ってきて、先ほどのヨハネ福音書の箇所をたまたま目にした時、ふと、そのヒナが私に向かって「正一郎、わたしを愛しているか」と呼びかけているように感じました。年を取り、動けなくなったこんな私でも、あなたは本当に私を愛しているかと。
 わたしは、ヒナに声を掛けてあげただろうか、そのやせ細った体をなでてあげただろうか。

 イエスのこの「わたしを愛しているか」という問いは、いろいろなところで私たち一人ひとりに投げ掛けられています。傷ついた人、力をなくしている人、誰にも見向きをされない人・・・。そんな人たちからの無言の言葉に耳をかたむけ、何か少しでもいいから答えてあげられる人になりたいですね。

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