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MORNING TALK

朝の心

たった一つの微笑みにどれだけの大きな力があるか

2019.10.24
朝の心

 人は誰でも大なり小なり悩みを持っているものです。中でも人間関係で悩むことが多いと思います。人に対する自分の言動で悩むこともあれば、人からの言動で悩むこともあるでしょう。この問題、実はどちらも根っこは同じかもしれません。なぜならどちらも自分自身の問題だからです。これを「花粉の法則」と言った人がいます。花粉が大量に発生する季節、体が反応してくしゃみや鼻水が止まらない人がいます。一方で、全く反応することなく、花粉が飛んでいることさえわからない人もいます。人間関係もそれと同じで、ある特定の人や、言葉、態度によって傷ついたり落ち込んだりする人もいれば、まったく気にしない人もいるわけです。こう考えると、人間関係の悩みは相手にあるのではなく、反応してしまう自分に「何か」があるということになります。見方を変えれば、悩みを解決するためには相手の言動を変えようとするのではなく、問題と感じて反応してしまう自分こそ変わっていく方がいい場合もあるということです(『人間関係が「しんどい」と思ったら読む本』参照)。

その最良の方法の一つが「微笑み」だと思います。

 マザー・テレサがある日、カルカッタの町を歩いていると、向こうから険しい表情をした男性がやって来ました。彼はいつもマザーの活動を快く思っておらず、よく周りに悪口を言いふらしている人でした。マザーと一緒に歩いていたシスターは、すれ違う時、いったいどうなるかとハラハラしていました。するとマザーは心からの笑顔を浮かべて「こんにちは」と挨拶したそうです。驚いたシスターが「マザー、今の人、誰だかわかっているのですか?いつも私たちの悪口ばかり言う人ですよ」と言うと、マザーは「ええ、もちろんわかっていますよ。私は今、あの人の中におられるイエスに微笑みをかけたのです」と答えたというのです(『祈るように生きる マザー・テレサと共に』参照)。

 マザー・テレサはどんな人にも心の中に必ずイエスがいると確信していました。それゆえに、どんな人に対しても優しさと思いやりを忘れなかったのです。この確信こそが彼女の言動の力となり、誰もがマザー・テレサを尊敬するようになったのだと思います。

 

マザー・テレサは言います。「もし何もしてあげられることがないなら、微笑みかけなさい。たった一つの微笑みにどれだけ大きな力があるか、あなたたちはまだ知らないのです」。

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