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MORNING TALK

朝の心

環境の社会の悪化は、地球上の最も弱い人々に影響します

2019.11.14
朝の心

森林伐採、異常気象、生物多様性の喪失など、今、起きている環境問題の深刻さを分かっている人は多いと思います。それでは実際私たちは、どこまで自分自身の問題として捉え、行動しているでしょうか。

今から4年ほど前、フランシスコ教皇は、私たち人類にとっての中心課題が環境問題であると提示しました。そしてこの問題は、普段弱い状況の人をさらに苦しい方へ追いやる結果になるとして、こう指摘しました。「環境の社会の悪化は、地球上の最も弱い人々に影響します。(中略)たとえば漁業資源の枯渇は、代替資源をもたない小規模漁業共同体に著しい不利益を与えます。水質汚染は、ボトル詰めの飲料水を買えない貧しい人々に特に影響します。そして、海面上昇は、移住する場所のない沿岸地域の貧しい住民に影響を及ぼします」(『ラウダート・シー』48)と。

 現在地球上では、世界人口を養うのに必要な2倍の量の穀物が収穫されています。それなのに毎日飢餓で4~5万の人が亡くなっており、そのうち7割以上が子どもです。それは、世界の農地の約7割で、牛や豚など食用家畜の飼料が育てられているためです。一方日本では、年間の食糧の半分にあたる5500万トンが海外から輸入されていますが、捨てられる食料は1800万トンで、その半分以上が一般家庭から廃棄されています。日本の食料の廃棄率は世界一で、発展途上国の500万人分の年間食料に匹敵すると言われています(「5分でわかる環境問題」参照)。

私たちは暑いとすぐクーラーをいれ、暗くなれば電気をつけ、おなかが空いたら何か食べる、という生活をしています。このようなくらしができているのは地球上のほんのわずかの地域で、私たちの住む日本はそのわずかな部分に含まれているという現実を、まずは知らなければなりません。環境問題は地球上のあらゆる自然、すべての生き物とつながっているのですから、できるところからスタートすることが、自分たち自身の問題として意識する第一歩となります。身の回りの節電、必要ない食べ物は求めない、多少我慢できるところは我慢するなど、簡単なことからでいいのです。また教皇は、特に食前食後に祈ることの大切さを勧めておられます。「わずかな時間であっても、私たちの命が神の手の中にあるということを思い起こさせてくれます。それは被造物という贈り物への感謝の思いを強め、それを提供してくれる人々の労働をありがたく思い、困窮の極みある人々との連帯を再確認する時です」(『ラウダート・シー』227)と。

少しでも「神と、他者、自然と調和のうちに」(『ラウダート・シー』10頁参照)すごせるようにしたいものです。

kokoro_9.jpg「若鳩祭」1年2組クラス展示作品

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