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MORNING TALK

朝の心

心の輝き

2020.06.06
朝の心

 学院に我が子を通わせようと決めた理由を語ってくださった、二人の保護者の方の話を紹介します。

一人の方は、体験入学の時に前を歩いていた一人の先生が、廊下に落ちているゴミを拾って自分のポケットに入れる姿を目にしました。その時、ごく自然にそういう振る舞いをする先生たちがいるこの学校に、我が子を通わせたいと思ったそうです。

 もう一人の方は日向学院の本館を見て、とても古い建物だと感じました。ドアや窓枠はまだ木製のままで、ドアのノブも丸くて昔ながらのものです。それでも使い続けているのは、この学院の人たちが長年にわたって丁寧に使ってきたからに違いありません。生徒や教職員が普段から物を大切にしている姿勢が伝わってきます。自分の子どももそんな人間に成長してほしいと思い、学院への入学を決めたそうです。

 

また先日のこと、校内の掃除を担当されている女性の方が、こんな話をしてくださいました。それは、新体育館1階にある大きな鏡のことです。ご自分が学院の掃除担当になった時からこの鏡の汚れが気になり、綺麗にしようと毎日少しずつ磨きました。するとある日、女子生徒たちが「おばさん、綺麗にしてくれてありがとう」とわざわざ言ってくれたというのです。掃除担当の女性は、「嬉しくて嬉しくて涙が出そうになりました!」と私のところまで伝えに来てくださいました。

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 学院は来年で創立75周年を迎えます。75年も経てば当然古くなったり壊れたりする物が出てきますが、お金を出せば新しく買い直したり取り換えたりすることができる便利な世の中です。しかし先ほど述べたように、さりげなくゴミを拾う姿勢や、感謝の気持ちを素直に告げることができる心は、お金では買えません。「それは自分の生き方の気高さ、抑制ある態度、他人への思いやりの深さ、つまり、心の輝きとして培われてゆくものだからです」(渡邉和子『おかれた場所で咲きなさい』)。そして、そういったものこそ学院の本当の宝だと思います。

 最後に聖書の言葉を紹介します。

「あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ」(マタイ6・21)。

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