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MORNING TALK

朝の心

「平和的に」

2020.06.09
朝の心

5月25日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで白人警官に首を圧迫され、黒人のジョージ・フロイドさんが死亡し、今も全米で人種差別に反対する激しいデモが行われていることはみなさんもご存じでしょう。連日、様々な情報が報道されていますが、私が印象に残ったのは、殺されたジョージさんの弟テレンスさんが、事件現場で行ったスピーチです。

テレンスさんは、次のような言葉を述べました。「みんなが怒っているのはわかる。でも、俺の怒りの半分にも満たないだろう。俺でさえここで暴れたり、物を壊したり、コミュニティをめちゃくちゃにしていないのに、君たちは何をしているんだ!?...こんなことをしても兄さんは帰ってこないんだ・・・。」そして、テレンスさんは、自分たちの声が届くことを信じて選挙で投票しよう、そのためにしっかり勉強しよう、そしてたくさんの仲間がいることを信じて平和的に行動しようと呼びかけました。一方的な暴力で兄を殺されたテレンスさんですが、だからといってどんな手段で報復してもいいということにはならないと強く訴えたのです。

私たちも社会生活をしていれば、意図的に、あるいは無意識的に一方的に人から傷つけられることもあります。そんなとき、自分がどんなに正しいと思っても、人を傷つけるようなこと言ったり、友達を誘って報復したり、ネットに悪口を書き込んだりするのはやはり間違っています。だからといって、黙って耐えればいいというものでもありません。勇気を出して自分がつらい思いをしていることを相手に伝えたり、それが難しい時は、先生や親などの大人に相談してみることもとても大切です。テレンスさんの呼びかける「平和的に」という行動を、私たちは生涯をかけて学び続ける必要があるのだと思います。

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